私の歯科矯正体験

人の歯並びって、結構目につくものですよね。笑った時、話す時、ガタガタに乱れているより、整った歯並びの方がずっと魅力的です。私は子供の頃から自分の歯並びに多少のコンプレックスを持っていました。小学校低学年の頃に虫歯治療に通った際、矯正をすすめられ、親にもやってみたらどうかと言われました。でも、あのギラギラとした金具を長期間付けっぱなしにするのがどうしても嫌でした。クラスに一人だけ歯科矯正をしている男の子がいたのですが、事あるごとに矯正の金具のことでからかわれていたからです。結局、矯正をしないまま大人になった私。歯並びのコンプレックスはずっと抱えたままでしたが、その後も矯正に踏み切ることはありませんでした。色々と技術も進んだようで、歯の裏に金具を装着する見えない矯正なども耳にするようになりましたが、費用もかかるし長期にわたる矯正を始めるきっかけもなかなかありませんでした。子供の頃の経験から歯医者は痛いし怖い、と思っていたので歯磨きも丁寧にしていて長いこと虫歯や歯痛のトラブルもなかったため、矯正はおろか歯科医院にもお世話になることなく、何年も過ぎました。

そんな私ですが、転機が訪れたのは30歳になって暫くしてからのことです。奥歯が痛むような感じがして、歯科検診を受けました。結局虫歯は見つからなかったのですが、その時先生に指摘されたのが歯並びでした。噛み合わせが悪いと頭痛の原因になることもあるとのこと。また歯並びが悪いのは見た目だけの問題ではなく、磨きにくいので磨き残しが多く、それが原因となって歯周病を引き起こすというものでした。先生曰く、30歳は歯科矯正には決して遅くないとのことで、ひとつひとつ丁寧に説明してくれました。驚いたのは、矯正金具の進化です。小学生の頃ギラギラと口元で光っていたあの金具、歯に取り付けるプレートは透明だし、金具はあまり光のない金色で私が思っていたよりも細く、目立たない感じのものでした。私は30歳にしてようやく矯正を始める一大決心をしました。

矯正を始めるまでには、スペースを空けるために抜歯があります。一度に一本しか抜けないし続けて抜歯はできないので実際に矯正の金具を装着するまでに歯のないスカスカの状態が数週間あり、それが恥ずかしかったです。抜歯後に発熱することもあり、そちらも大変でした。金具を装着すると、かなり傷みがありました。でもしばらくすると、明らかに歯がきちんとした場所に動いてきているのが分かり、綺麗な歯並びに近付いているんだという実感が湧いてきました。大人になって矯正は恥ずかしいかな、と思ったのですが、矯正金具に気づかない人も結構多かったことに驚きました。結局、金具を装着したのは1年半程、その後は後戻りを防止するために取り外しのできるマウスピースをしばらく付けていましたが、今は何も必要ありません。すっかり綺麗な歯並びになり、歯科矯正を受けて良かったと思っています。矯正は子供のうちに、と思っている方も多いと思いますが、歯並びに悩んでいる方は一度相談してみるといいと思います。

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